国際GIS
センター
について

About IDEAS

センターについて

国際GISセンターは、私立大学ではわが国初の大学共同研究所として1996年に設立された中部高等学術研究所の附置センターとして、2011年4月に設置されました。中部高等学術研究所では長年、文系・理系の枠組みにとらわれない「学問の再構築」を目的として国内外との共同研究活動を行ってきました。センターは特に地球の持続可能性をテーマとして、GISベースのプラットフォームにより研究分野・組織を越えた融合を促すことで、「学問の再構築」を実践的に進めることを目標に設立されています。以来、センターではGISおよび空間情報科学を活用して地球規模課題にアプローチする、「デジタルアース(Digital Earth)」を主題に据えた研究を展開してきました。実際、最近ではデジタル・ツインやDX等、位置情報抜きでは考えられない仮想空間への展開が急速に進んでいることは周知の通りです。こうした最新の動向・技術革新も取り込みながら、常に進化するセンターとして研究に取り組んで参りました。2014年および2020年には、文部科学大臣より「問題複合体を対象とするデジタルアース共同利用・共同研究拠点」として認定を受けており、分野を先導する共同利用・共同研究拠点として、多くの機関と積極的な共同研究、交流を進めながら高度、かつ実践的なデジタルアースの実現を目指しています。


目的

当センターは、現代社会が直面する複雑な問題複合体に対し、文系・理系を問わず様々な学問領域の研究者のコラボレーションにより、持続可能な社会を設計することを目的としています。目的達成のための装置としてデジタルアースを構築し、科学的なエビデンスに基づきながら問題の全体像を可視化することで問題を紐解こうとするアプローチをとっています。デジタルアースには、各種の地球環境問題や大規模災害といった、複雑な要素の絡み合う「問題複合体」を解決する際のデータ共有やそれらを分析する共同実験室として、さらには地図として可視化されたエビデンスに基づき熟議を行うためのプラットフォームとしての活用が期待されています。また、単に理論や技術的な開発に留まることなく、近隣自治体等との連携により、共同研究で得られた成果を積極的にフィードバックし、具体的な社会還元を進める事もセンターの重要な活動と位置付けています。こうした活動を通し、研究機関間、学術と社会、学外と学内等、多角的なハブ機関として機能することもまたセンターの目指すところです。


研究

地球規模で増大する自然災害や感染症の拡大などの多様なリスクの連鎖は、人口構造の変化やポピュリズムに加えて、経済社会にも大きな影響を与えています。こうした状況を背景として、科学への要請もまた、自然および社会の本質の探究から、自然および社会の現在の変化の状況および将来の姿を描く「設計する科学」へと変わりつつあります。地球の持続可能性を追求するにあたっては、多様な学問分野の融合のみならず、社会の多様なステークホルダー間の連携・協働が不可欠です。私達は、デジタルアースの構築により、サイバースペース上に多次元・多解像度、リアルタイムで地球の事象を俯瞰的に可視化することで、分野やステークホルダーを横断したコミュニケーションと合意形成をはかりたいと考えています。
近年になって大量の地球観測情報・空間データの提供が実現したことを受け、それを利用するGIS(Geographic Information System)や地理空間情報科学(Geoinformatics)も進展しました。さらには、地球規模のICT、Web技術によってもたらされた市民科学やSNS等の隆盛により、これまでにない個別的情報も加わって、デジタルアースの構築・運用環境は急速に整いつつあります。こうした背景のもと、センターでは、第5次科学技術基本計画でいうところの、“サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステム”の構築を目指し、多元的な研究を進めています。


デジタルアースについて

情報化社会・Society5.0の本質は、サイバースペース(実空間と区別されたコンピュータのネットワークが生み出す仮想空間)における意志決定が、リアルワールド(実際の実物世界、経済・生活・産業・環境)に先導的な役割を果たすことにあります。従って、実物世界のメタファーとして、いかに情報を欠落させることなくサイバースペースを構築するか、またそれをどのように利用するかが重要となります。そのためには膨大な地理空間情報を取り扱う必要があり、多層的な情報を多解像度・3次元の地球として、実時間や時系列で表現することが可能なツール「アースメタファ『デジタルアース』」が不可欠となります。
サイバースペースを、デジタル化された地理空間情報に基づいて構築することによって、実空間から仮想空間への正確な写像を実現します。こうして様々な自然現象や社会経済活動などを仮想空間上に可視化することで、地球上の様々な問題複合体の全体像に漸近することが可能になります。また同時に、この仮想空間を共有している人々の間でコミュニケーションを可能とすることは、相互理解・協調作業を進めるための場を提供することにもつながります。